選考結果について
日本腎臓病協会・日本ベーリンガーインゲルハイム共同研究事業の選考結果について
日本腎臓病協会は事業の一つとしてアカデミアと関連企業、行政等が連携しうるプラットフォームとして「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を立ちあげており、本邦の腎臓研究の活性化、次世代研究者育成、ひいては「腎臓病の克服」を目指し、日本ベーリンガーインゲルハイム社と連携し、研究助成テーマを募集いたしました。
年齢が55歳以下の研究者(2021年4月1日時点)を対象とし、慢性腎臓病を中心とした他疾患との関わりを解明する基礎研究(「病態メカニズム」、「臓器間ネットワーク」等)および広く腎臓病領域での基盤整備に寄与する調査・研究(「データベースの利活用」、「病診連携」等)を対象課題とし、4月末日を締め切りとして公募いたしました。
全国よりご応募いただきました24件の研究テーマにつきまして,日本腎臓病協会から選出された選考委員により、① 研究課題の学術重要性・妥当性、 ② 研究課題の独創性及び新規性、③ 研究計画・方法の妥当性、④ 研究成果のインパクトについて、それぞれ5段階の評価を実施いたしました。
5月16日のwebによる最終選考会に評価メンバー全員が集まり、それぞれの評価等について議論し、最終的な評価スコア上位6件の研究テーマを選出いたしました。今回、選出されました6名の研究者と研究題目は以下の通りです。
(順不同)
①井上 剛先生(長崎大学 内臓機能生理学):脳ー脾ー腎関連を介した腎疾患制御機構の解明
②久米真司先生(滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科):長期eGFR解析Viewer導入による新規CKD病診連携システムの構築に向けてー高齢透析導入数の減少の実現を目指してー
③松本 啓先生(東京慈恵会医科大学 腎臓高血圧内科):薬剤誘導遺伝子改変マウスを用いた早産児低ネフロンナンバーモデルマウスの作成と解析
④涌井広道先生(横浜市立大学 循環器・腎臓・高血圧内科学):レニンーアンジオテンシン系過剰活性化抑制因子に着目した高血圧・腎臓病の脳腎連関制御
⑤矢野裕一朗先生(横浜市立大学附属病院 次世代臨床研究センター):人間と人工知能の共創的な知を用いて腎臓病進展阻止を目指す最適な治療ストラテジーの開発
⑥蘇原映誠先生(東京医科歯科大学 腎臓内科):細胞のAMP感受性を制御するULK1が起こすCKD増悪メカニズムと臓器連関機序の解明
今回ご応募いただきました24件の研究申請は、いずれも非常にレベルが高く、評価についても非常に僅差の判定となりました。日本腎臓病協会は今後とも若手腎臓研究者の育成をサポートする事業を推進する所存ですので、引き続きご理解とご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 日本腎臓病協会
選考委員会 委員長 岡田 浩一
理事長 柏原 直樹