日本腎臓病協会「CKD協力医制度」Q&A
Q1.CKD協力医制度とはどのような制度ですか?
地域の医療現場でCKD患者を早期に発見し、適切な診療・療養指導を行うとともに、必要に応じて腎臓専門医・専門医療機関につなぐための制度です。
CKD診療を腎臓専門医だけで担うのではなく、地域の先生方と専門医が連携し、地域全体でCKD患者を支えることを目指しています。
Q2.なぜ今、CKD協力医制度が必要なのでしょうか?
わが国ではCKD患者数が約2,000万人に上る一方、腎臓専門医は6,600人を超えているものの地域的な偏在があります。本制度は、腎臓専門医だけではカバーしきれないCKD診療を地域の医師との連携によって補完し、全国で質の高いCKD診療を提供できる体制づくりを目指すものです。
Q3.CKD協力医は「腎臓専門医」とは違うのでしょうか?
はい。CKD協力医は腎臓専門医の資格ではなく、また腎臓専門医を代替するものでもありません。
地域の日常診療の中でCKDの早期発見・適切な管理を担い、専門的な評価・治療が必要な患者については腎臓専門医につなぐ、いわば「かかりつけ医による地域CKD診療と専門医療を結ぶ役割」を担います。
Q4.腎臓内科以外の医師でも登録できますか?
はい。診療科は問いません。
内科、糖尿病内科、循環器内科はもちろん、CKD診療に携わる医師であれば登録できます。新規登録要件として「CKD診療に携わる医師であること(診療科は問わない)」としています。
Q5.CKD診療の経験が十分でなくても登録できますか?
可能です。本制度では、登録時に指定のe-learningを受講していただき、CKD診療に必要となる基本的な知識を確認していただきます。また登録後も継続的な教育機会を設け、CKD診療の質の向上を支援します。
Q6.CKD協力医には具体的に何が求められますか?
主として、
①地域のCKD患者の日常診療・療養指導、
②健診等で腎機能低下や尿異常を指摘された方への適切な介入、
③腎臓病療養指導士など多職種との連携、
④専門医療機関・保険者・市町村・保健所等との連携による地域CKD対策への協力、
の4つを想定しています。
Q7.CKD協力医になると、すべてのCKD患者を自院で診療しなければなりませんか?
いいえ。その必要はありません。
協力医には日常診療で対応可能なCKD患者を診療していただきますが、専門的評価や治療が必要な場合には、適切な時期に腎臓専門医・専門医療機関へ紹介していただくことが重要です。協力医と専門医がそれぞれの役割を担うことが本制度の基本です。
Q8.どのような患者を腎臓専門医へ紹介すればよいでしょうか?
eGFR低下、蛋白尿・血尿、急速な腎機能低下、原疾患の精査が必要な場合などが想定されます。
具体的には、日本腎臓学会等のCKD診療ガイドラインや専門医紹介基準を基本として判断します。なお、e-ラーニングにも取り上げられていますので、参考にされてください。
Q9.専門医に紹介した後は、専門医が診療を継続するのでしょうか?
患者の病態によって異なります。
専門的な診断・治療を行った後、状態が安定すれば協力医を中心とした日常診療に戻し、必要に応じて専門医が定期的に診療するなど、双方向の病診連携を基本とします。
Q10.CKD協力医になることで診療上の責任が新たに増えるのでしょうか?
CKD協力医への登録そのものによって、通常の医師としての診療上の責任とは別の特別な法的責任が生じることを意図した制度ではありません。
協力医には、それぞれの診療環境・専門性の範囲内でCKD診療に取り組み、必要な場合には専門医へ紹介していただくことを想定しています。
Q11.CKD協力医として登録すると、どのようなメリットがありますか?
日本腎臓病協会(JKA)のホームページに協力医リストを掲載します。
また医師会・保健師会等への情報提供を通じ、CKD患者を適切な医療機関へつなぐことを促進します。
地域の腎臓専門医や多職種との連携強化にもつながります。
Q12.登録するための要件は何ですか?
①CKD診療に携わる医師であること、
②JKA協力医会員であること、
③指定のe-learningを受講すること、
が基本要件です。
登録の有効期間は3年間です。
Q13.登録にはどのくらい費用がかかりますか?
JKA協力医会員への入会金1,000円、年会費2,000円が必要です。
CKD協力医としての申請料・更新料はありません。
Q14.登録手続きはどのように行いますか?
オンラインでJKA協力医への入会申請を行い、会費をお支払いいただいた後、指定のe-learningを受講していただきます。
すべての手続きが完了すると認定証を発行します。
Q15.資格の有効期間と更新方法を教えてください。
登録有効期間は3年間です。
有効期間内にJKA主催・共催のCKD教育講演を年1回以上受講していただくことを更新要件としています。
Q16.CKD協力医の名称をホームページや院内掲示に使用できますか?
登録後は、患者や地域の医療関係者にCKD診療への取り組みを知っていただくため、認定証等を活用いただくことを想定しています。
具体的な名称・ロゴ等の使用方法については、JKAとして統一した運用規程を定める予定です。
Q17.CKD協力医のリストは一般に公開されますか?
JKAホームページで協力医リストを公開します。
また今後、各都道府県単位の相当するホームページでも公開できる体制を目指しています。
Q18.医師会や自治体がすでに独自の「CKD連携医」「かかりつけ医」制度を運用している場合はどうなりますか?
既存の地域制度を否定したり置き換えたりするものではありません。
すでに全国の複数地域で協力医・連携医制度が構築されています。
本制度では、それらの地域の取り組みを尊重しながら、JKAとして全国的なCKD診療連携の基盤を整備することを目指します。
Q19.腎臓病療養指導士との関係はどうなりますか?
CKD協力医が医師として診療を担う一方、腎臓病療養指導士をはじめとする看護師、管理栄養士、薬剤師等と連携し、生活・服薬・栄養などを含めた包括的な療養支援を行うことを期待しています。
多職種連携は本制度の重要な柱の一つです。
Q20.この制度が最終的に目指すものは何ですか?
どこに住んでいても、CKDを早期に発見し、適切な治療を開始し、必要な患者を適切な時期に専門医へつなげられる地域医療体制を全国に構築することが本制度の目標です。
■ CKD協力医制度に関するお問合せ先
猪阪班・岡田班・柏原班の監修を受けた